個人再生における所有自動車の取り扱いについて
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスでは,個人再生手続を数多く取り扱っています。
今回は個人再生における再生債務者名義の自動車と所有権留保についてご説明します。
個人再生手続きは,自己破産とは異なり,財産処分による債権者への返済(配当実施)を前提とせずに多額の借金を解決できる点に大きな特徴があります。しかし,高額な財産を手元に残したままで多額の借金を免除することは,債権者との関係で必ずしも公平とはいえませんし,高額な財産には担保が設定されている場合も少なくありません。特に,債務者が自動車を保有している場合には注意が必要です。
以下は,個人再生において自動車をどのように取り扱うかについてのポイントです。
ローンの支払いが終わっている車の取り扱い
ローンの支払いが終わっている車は,個人再生をしても強制的に処分されることはありません。個人再生は財産処分による債権者への配当を行わない手続きです。ただし,清算価値という形で個人再生手続に影響を与えることに注意が必要です。
清算価値は,自己破産なら債権者の配当に充てられるべき債務者財産の評価総額を指します。財産価値の高い自動車(高級外車など)を保有している場合,清算価値の金額が高くなり,借金の減額程度が少なくなることがあります。
ローンが残っている車の取り扱い
車のローンに所有権留保が設定されているか否かによって,車を手元に残せるか否かの結論が変わります。
所有権留保とは,ローンを組んで自動車を購入した場合に,その代金が完済されるまでの間の担保として,自動車の所有権を債権者(ディーラー)の手元に留め置くことを指します。所有権留保が設定されている場合,個人再生をしても自動車が引き上げられてしまいます。
自動車の評価方法(清算価値の計上方法)は,実勢の評価額がベースとなります。使用年数を問わずに高額な評価額となることもあります。
ローンの残っている車を手元に残す3つの方法
ローン残高の完済(第三者弁済)
ローン会社と別除権協定を結ぶ
任意整理で借金を解決する
個人再生を検討する際には,自動車の取り扱いを理解し,適切な方法を選択することが重要です。
また,個人再生は他の債務整理方法と比べても手続きが複雑ですから,個人再生を検討されている方は,弁護士に相談されたうえで最良の方法を検討されることが大切と思われます。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィスでは,個人再生手続のご相談はもちろん,それ以外にも債務整理の経験が豊富な弁護士が多数在籍しております。
まずは,お気軽にご相談ください。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所長崎オフィス
代表弁護士 坪井智之